本システムは非接触型の注視点測定システム(アイトラッカー)で、被験者の注視点、視線軌跡、分割したエリアごとの滞留比率などが被験者の身体の拘束(例:あご台)や器具の装着(例:ゴーグル、眼鏡、帽子)なしに自然な状態で測定をすることができます。その他の付加情報としては、眼球特徴点(瞳孔径、瞳孔面積など)や瞬きに関する情報なども同時に出力されます。尚、測定レートは16.7ms/データ(60Hz)で分解能は0.1度以下です。
基本的に非接触型であることから、注視点測定はコンピュータディスプレイ、大型テレビやプロジェクターなどの表示用モニターに表示された刺激(画像、図形、動画など)を被験者が注視して測定を行います。刺激が現物または風景などの場合には風景撮影用カメラ(市販のビデオカメラでOK)で被験者の見る範囲(風景)を撮影して測定用PCに入力することでPCのディスプレイ上に表示された風景の映像に被験者の注視点をリアルタイムに重ねてプロットします
また、本システムは装置の設定、被験者の適性、測定環境の整備、キャリブレーション作業などには専門知識は不要で余計な労力や時間も必要ありません。設定等は全て自動ですので、電源をオンして眼球映像撮影用カメラ(TE-9170)で被験者の眼球が撮影できれば注視点の測定は直ぐに開始できます。
特に労力と作業時間が気になるキャリブレーションについては、弊社独自のアルゴリズムによりわずか30秒で完了します。白内障、人工レンズ、眼振、虹彩異色、片眼、カラードアイ、眼鏡、コンタクトレンズなどにも対応していますので被験者の適性などを考慮しての被験者の選定は不要です。
注視点プロット |
ディスプレイ上に表示された刺激(画像)に被験者の注視点をリアルタイムにプロットします。リアルタイムにプロットを行うことで測定に影響が出る場合は測定中の注視点プロットを停止することができます。測定および表示速度は、1.67ms/データ(1/60秒)です。静止画の場合は全ての注視点をプロットしますが、動画の場合は各フィールドで被験者が注視していた1点のみの注視点プロットとなります。 |
視線移動の軌跡 |
ディスプレイ上に表示された刺激(画像)上に被験者の視線移動を軌跡として重ねます。測定時の設定が「注視点プロット」であった場合でも測定後に「視線移動」に設定変更することで表示を変えることができます。 |
各エリアの注視点滞留比率 |
ディスプレイ上に表示された刺激(画像)上で被験者のどこのエリア(ヒストグラム)を多く注視しているかを解析する機能です。上記サンプルは25分割になってますが、分割数は縦横を個別に設定可能です。測定後、分割エリア数の変更を行った場合はプログラムが再計算して新設定の滞留比率を表示します。測定データファイルへの保存は、各注視点データに対して滞留エリア番号を出力します。 |
ユーザー指定の矩形エリア内の注視点滞留比率 |
ディスプレイ上に表示された刺激(画像)上でユーザーが指定した矩形エリアを被験者の注視点がどのくらい滞留したかを解析する機能です。矩形は基本的に4角形で、ディスプレィ上の座標で指定します。指定できる矩形の数は無制限です。測定データファイルでは、各注視点データに対して設定ファイルに記載した順番で矩形に番号付けされています。 |
密度マップ① |
「刺激」+「注視点」+「密度マップ」の重合せ表示 |
測定結果の注視点データを解析して注視点の分布密度をグラデーション表示します。この機能によって被験者がどの部分を集中して注視しているのかを明確化することができます。表示は「刺激」+「注視点」+「密度マップ」、「刺激」+「密度マップ」、「密度マップ」のみの3種類を選択できます。サンプルの右側の画像は密度の濃い部分(注視点が集中している部分)を強調していますが、設定で”γ 補正”を行うことで密度の薄い部分を濃く強調することができます。 |
密度マップ② |
「密度マップ」のみ表示 |
説明文は上記と同様 |
スライドショーによる複数枚の刺激の連続測定 |
この機能は2枚以上の刺激(画像)を連続して測定を行いものです。設定枚数の制限はなく、刺激のファイル名、各刺激の表示時間、無表示のインターバル時間などを設定することができます。測定データは測定時の状態のまま保尊可能で、測定データ読み込み時には被験者の注視点プロットをビデオ映像の再生の様に再現できます。 |
入力映像や動画上での注視点プロット |
被験者の見ている現物や風景をカメラで撮影した映像やDVDなどで再生した映像を測定用PCに入力して被験者の見ている位置に注視点プロットをします。映像は静止画と異なり時間経過とともに表示内容が常に変化していることから、その瞬間の注視点1点だけ映像上にプロットします。測定データに関しては、通常の刺激(画像)と同様の内容となります。 |
注視点プロット |
視線移動の軌跡 |
注視点+密度マップ |
密度マップ |
測定データファイルはCSV形式で出力/保存されますので、Microsoft社のワード(Word)やエクセル(Excel)などでファイルを開くことができます。これらのソフトウェアを利用することによって測定データのグラフ化や表作成、そして測定データの分析・解析を容易に行うことができます。ここで測定データの詳細は記載しませんが、主に各エリアの滞留比率、矩形の滞留比率、注視点座標、滞留エリア番号または滞留矩形番号、瞳孔像の中心座標、角膜反射増の中心座標、眼球特徴点(瞳孔径、面積など)、瞬きに関する情報などが時系列で保存されています。エクセルを利用して様々な分布図、グラフまたは表などが作成できますが、一例としてグラフ化したものは次の通りです。
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本システムは次の構成品で構成されています。
型 式 | 概 略 |
TE-9101B/C 注視点検出ユニット |
システムの心臓部で被験者の注視点を検出する装置です。測定時に被験者や測定環境に対する制約は殆どありません。 |
TE-9170 CCDカメラセット |
被験者の眼球を撮影する眼球撮影用カメラです。赤外線帯域の感度が非常に高い赤外線カメラになります。コスト面や赤外線感度等の仕様面からSONY製のビデオカメラの改造型を採用してます。 |
TE-9171 赤外線照射セット |
測定時には微弱な近赤外光を被験者の眼球に照射します。波長が860nmで可視光に近い近赤外線のLEDです。強度もMAX80μWと非常に微弱で豆電球よりはるかに弱いものです。 |
TS-9101 キャリブレーションプログラム |
測定前の被験者の眼球を測定してTE-9101B/Cのキャリブレーションを行うプログラムです。 |
TS-9113 注視点測定プログラム |
測定用PCにインストールして被験者の注視点を測定するプログラムです。 |
キー入力による同期 |
注視点測定を同期させる他装置・ソフトウェアが入力装置(キーやマウス等)の入力がトリガーになっている場合、"TS-9113"は入力装置からの入力に同期して測定を開始できます。 |
ディスプレイ表示内容への注視点プロット |
他装置、ソフトウェアの動作中のディスプレイ表示内容で注視点を測定する場合、表示内容を注視点測定用PCに映像入力することで表示映像上に注視点プロットできます。映像は外部出力にてDVDなどのメディアに保存できます。 |
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